another BATIK

another BATIK

『子どもたちの歌う声がきこえる』
『波と暮らして』

2018年2月2日(金)19:00
3日(土)15:00☆
4日(日)15:00☆
世田谷パブリックシアター

☆ポストトーク開催
ゲスト:

森山開次氏(3日)    撮影:石塚定人
笠井叡氏(4日)

(他日程の半券のご提示でもご参加いただけます。)

公演詳細はこちらから!


RECOMMEND MESSAGE

育世さん。
名前が近しい事もあり、勝手に親近感を持たせてもらっています。

身体を動かす人特有のキリッとしたオーラと、口を大きく開けてよく笑う人懐っこい笑顔と、
ゆっくり丁寧に話す声のトーン。

でも、ひとたび踊ると、
筋肉から、神経から、骨と骨、指先、爪の先端まで、目を奪われる。
この人は、どうしても、踊らずにはいられないんだろう。
という何か壮絶なものを全身から放つ。

クラムボンの『Aspen』という曲のMVで(監督は七里圭さん)
小淵沢の空気の中、身体一つ、たった一人で、踊ってくださいました。

NODA MAPの稽古場にて、
振り付けを担当されていた育世さんと出演者の皆さんで、
その曲をかけながら踊る時間があったと伺い、嬉しかったです。

吉祥寺に『キチム』がオープンする日、
祝詞をあげて、場所に、舞いを納めてくださった。

これまでを語ろうとすると、文字数が足りなくなってしまいますが、、。

ヒトはなぜ踊るのか。
生き物としての根源的なものを見つめながら、
ヒリヒリするほどの表現を追求している育世さんは、魅力的で、美しい。

母になられて。
今はどんなダンスに向かっているんだろう。
BATIKの新作、楽しみにしています。

原田郁子(クラムボン)(ミュージシャン)

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パスの『波と暮らして』を初めて読んだのは、まだ学生の時分、昭和のことだった。感動がまさに波のように押し寄せ、これを映画にできたらと夢想した。その一方で、この素晴らしさは、映画では表現しきれないかもと感じた。すでにそのとき、波はダンサーが演ずるべきだと考えていた。
10年ほどして、まさにこの人だと確信する、踊り手が現れた。『SHOKU』を観たときだった。人見知りだった私には、しかし、アプローチする勇気も自信も、それ以上に映画を作る力もまだ無かった。それから5年ほどして、育世さんに拙作を観ていただく機会が持てた。『眠り姫』という映画だった。でもそのときは、憧れの人と話ができ、感想をもらえたという喜び、幸せだけでいっぱいで、それ以上はおこがましいと自重した。
それから5年ほどして、育世さんからの依頼で彼女の踊りを撮る機会に恵まれた。クラムボンのPV『ASPEN』だった。そしてようやく、『波と暮らして』を渡すことができたのだ。「これを踊りにして下さい」と。育世さんは、「感想など言えませんが、大事に読みますね」と仰った。それからさらに5年して、唐突に返事が届いた。まったく前触れもなく。しかも、すでに私たちは『サロメの娘』という長いプロジェクトを、御一緒し始めていた。これが、私の側から描く、上演に至るまでの長い、長いサイドストーリーだ。
育世版「波と暮らして」は見ている方までフラフラになるほどの、情熱的な作品だった。波と僕、二人のダンサーが持てる限りのパッションをぶつけ合い、交錯する。ここに情愛の、人生の全てが詰まっていると思った。素晴らしきや!

七里圭(映画監督)

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黒田育世とBATIKのそのダンスとステージに、裏表がないのは、そもそも〈感情〉も〈言葉〉もあっさりと裏返してしまう勢いで踊っているからだ。たとえば仮に静止していても踊っている。黒田育世とBATIKは、そもそも裏表がないのだから、どんな約束も裏切らない。

古川日出男(作家)


TRAILER


another BATIKによせて

第一回目のanother BATIKを上演いたしましたのは、2009年のこと。同じくここ世田谷パブリックシアターでした。
笠井叡先生をお招きし、振付け頂いた貴重な作品『バビロンの丘にいく』をBATIKが死にものぐるいで踊り、踊り果てました。
カンパニーにとってどれだけ大切なものを笠井先生から頂戴したか計り知れません。

another BATIKとは、偉大な振付家にお越し頂きBATIKの作品を創って頂く企画です。
全てを舞踊に注ぎ込まれた永い時間の美しさ、情熱と継続に支えられた尊い作品性に触れさせて頂くことでしか学ぶことの出来ない領域があるということを、BATIKは知りました。

あれから9年の時間が流れました。

BATIKは、もっと強くなる為に、もっともっと踊り続ける為に、第二回目のanother BATIKに挑戦致します。

第二回目となる今回は、佐多達枝先生にお越し頂き、新作『子どもたちの歌う声がきこえる』を振付け頂いております。
一去年、佐多先生の『父への手紙』という作品を拝見した時、心底驚き、感動し、見える世界が嘘のように変わり、客席から立ち上がることが出来ませんでした。
即座に、佐多先生の世界に触れさせて頂きたいという想いが溢れ、押さえることは難しく、恐れ多く思いながら今回の企画のお願いを申し上げました。

毎回のリハーサルで頂く振付けで、「芸術は一切の激しい感情で捉えることは出来ない。ほんの少しだけ多いことほんの少しだけ少ないこと、そのことが芸術にとって何より大変で、何より大切なことなのである」というニーチェの言葉を思い出し、佐多先生の振付けそして作品は、この一番難しいことへの、「美しい」実践に他ならないと実感致します。

そう実現出来るものでない、大変貴重な機会ですので、多くの観客の皆様にお立ち会い頂けましたらと、切に願っております。

また、こうして産み出されるかけがえのない舞踊作品が、多く再演されることを願って、『波と暮らして』(2015年初演)を同時上演致します。

この作品は、オクタビオパスによる同名の小説を舞踊化したもので、ルービンシュタイン演奏のショパンの夜想曲にのせて綴られる、柳本雅寛さんと私のデュエットのダンスです。彼もまた一番「美しい」形で作品を「綴る」ことの出来るかけがえのないダンサーで、私は彼を尊敬しております。

今回こういった形で、尊敬する方々にお集まり頂き、公演のその日、舞踊に注がれた時間と情熱の、振付けやイメージの、そして踊りそのものの「美しさ」を、ここ世田谷パブリックシアターで観客の皆様に向けて努め放つことが出来ることに、舞踊家として心底の幸せを感じております。

この貴重な機会を経てBATIKはまた新たな領域へと向かいます。
大きな節目となる今回のanother BATIKを是非お見届け下さいませ。
皆様のご来場心よりお待ち申し上げております。

2018年1月吉日

BATIK主宰 黒田育世 拝